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クラブフィッティングってどういうこと?

使用者に合った(フィットした)クラブの仕様を決める。ということを順を追ってお話ししましょう。

クラブフィッティングはシャフトが命

ヘッドにも重心角や重心距離という、フェイスがターンして球を捕まえる度合いの性質を表わす指数があり微妙に個性の違いがありますので、その「タイプ別」類型分けでどのタイプのヘッドがその方に合うか、という判断も一つの大きな要素ではありますが、そのヘッドが最も良いタイミングで、最も良い形で、最も速いスピードで、ボールにインパクトできるかどうか。それはシャフトの仕事です。シャフトと使用者との相性の良さが生み出す最高の仕事です。

シャフトは例えば「60g台のS」と言っても非常に多くのモデルがあり、カタログに表記されるメーカー名・重さ・長さ・トルク・調子(K.P)だけではほとんど何も「こういうシャフト(個性)だ」という判断はできません。
企業にとって履歴書だけでは人物判断がほとんどできないのと同じで、人間と同じくらいシャフトの個性も百人百様です。
先ず、その使用者にとって、どのくらいの範囲の重さが適切範囲か。どのくらいの方さが適切範囲か。を絞り込む情報としてのみカタログスペック(履歴書)は役に立ちます。
その中で、ではどのシャフト(個性)がその方に合うのか。これは人間と同じで面接試験(試打テスト)で実際にそのシャフトが装着されたクラブを打ってみるしかありません。

ここで重要なことはその試打クラブが「正しく組まれた」クラブであることです。その要素は
①ヘッドのロフトがおおよそ適切範囲であること。
②長さ、スイングバランスがそのシャフトにとって適切範囲であること。
③シャフトの個性と性能、ヘッドの性能を設計通りに活かせる正しい手法で組まれていること。
の3つです。


ヘッドは何がどう大事なのか

上述のようにヘッドはその性質上いくつかの類型に分けて考えることが出来ます。主にはヘッドの空間内部にある重心とシャフト中心軸との距離(=実質重心距離)や重心の位置取りがその原因になります。

スイングパワーのある方は自ずと硬い目であったり重い目のシャフトを選ばれることになると思いますが、そういう方が重心距離が長いタイプのヘッドを選んだ場合、切り返しのタイミングがゆっくりでスイング中あまりフェイスの開閉を多く使わないタイプの方ならヘッドの持つ「タイミングの安定性」という特性を活かせますが切り返しの素早いタイプの方だとフェイスの開閉に掛かる慣性モーメントが大きすぎて振り遅れ、フェイスの戻し遅れ、それを嫌ってダグフック、というような弊害が出やすくなります。

軟らかめ、トルク大き目のシャフトが合うスイングパワーの方ならこのようなスイングのタイミングとフェイスターンのタイミングのズレをシャフトの方が吸収してアジャストしてくれる働きが出るのでヘッドが重心設計上持ち合わせるインパクトパワーを活かしやすくなります。
逆にそういう方がフェイスターンの慣性モーメントが小さいヘッドを選んだ場合、フェイスターンのタイミングが不安定になりやすくなることがあります。
また、ヘッドの重心深度(重心点のリーディングエッジ中央からの距離)はフェイスターンのタイミングと共に打球の打ち出し角やスピン量に大きな影響を与えます。ですからヘッドによっては少しロフトの小さめの物あるいは大き目の物を選ぶ判断も大変重要になってきます。


最後に結論を導くもの。それは?

以上申し述べたスイングパワー、スイングのタイプ、選ぶシャフトの重さと硬度(比例してトルクの小ささ)、ヘッドの重心設計上の性質、という人間側とシャフト側とヘッド側の条件の整合性を見極めるのはクラブフィッターのクラブに対する理解度とご本人の試打経験に基づくフィーリングの判断。つまり正しいロジックを伝ってある程度結論に近いところまで絞り込めたら、最後はご本人の「好み」が決めてになります。

同様の事がシャフト選び自体にも言えます。シャフトも一つの重さ・硬さの範囲内で様々なモデルがありますが、やはりいくつかのタイプに類別できます。
そのうちの一つのグループの中でもやはり微妙にタイミングや味わいやフィーリングが異なります。それらの中から最終的な一本を選び出す決め手・・・それもやはりフィッターの観察力や洞察力に基づいた判断力と、最後はご本人の「好み」だと思います。

ゴルフクラブというのは「道具」です。しかも、目でじっくり見て感じ、判断してから使用(スイング)を始めるという特殊性があると思います。
だからこそ、最終結論に近いところまで最短で導くために物理的な側面や運動生理学的な側面ではフィッターの正しい方向性に導く的を得た助言が不可欠。そして最後に「納得」「採用」のハンを押すのはご本人の「自分の道具として使いたい」「気に入った」という感性が大切なんです。


具体的な試打テストのやり方は

ゴルフピットでは店主自らの手で作った試打クラブがドライバーだけで70本以上、アイアンは100本以上あります。
そしてそれらのシャフトはすべて店主のメガネに適った優れた性能と品質を持ったものであり、店主が自信を持ってお勧めでき、お客様に安心して選んでいただけるものばかりです。

①それらの中からお客様に適切な重さの範囲と硬さの範囲を相談し判断して数本の候補を選出します。
②その選び出した試打クラブをお貸出しし、当工房のお願いする方法に則って試打テストを行って頂きます。
③試打テストは店内の狭いケージの中でシミュレーターを使って、ということは致しません。必ず広い練習場や実際のコースで試打していただきます。人間は目で見て身体で感じたことより数値に影響を受けてしまうものなんです。
④その試打テストは7~10日間で4~5回のペースで専用シートにメモを取りながら行って頂きます。
このように実際のプレーに出来るだけ近い条件下で実打することで初めて「自分のための1本」が見つけられると考えております。

自分にとって本当に納得のできるクラブこそが「良いクラブ」です。それを手にしていただくには作る側とお客様の両方の労力と時間をかけることが不可欠です。ここを惜しんだり端折ったりしては「良いクラブ」「良い仕事」は到底望めません。


 
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